ちょっとした時間

ある次元ある時間の話

机と椅子のある部屋。女が入って来て椅子に座る。

紙袋から一冊の本を取り出し、机の上に置く。

真剣な表情で、本の開き、読んでいる。

時間が進み、だんだんページをめくっていく。

やがて、座ったまま椅子の上に片足を立てて、その足を両手で抱く。

急に女は席をたって、いなくなる。

女が片手にスナック菓子の袋、もう一方の手に缶ビールを持って来る。

椅子に座り、スナック菓子の袋を開け、缶ビールのタブをおこす。

スナック菓子を食べ、缶ビールを飲みながら、本のページをめくって読みはじめる。

ページをめくる速さが速くなる。やがて、女は本を読むのを止める。

本を閉じる。

「パタン!」

スナック菓子を真上にほおリ投げて、顔を上に向けて、口でキャッチする。


「ナイスキャッチ!ハハハハハー」

笑いながら、何回かこれを繰り返す。

最後にスナック菓子を口でキャッチしそこない、菓子が本の上に落ちる。

女の笑顔が消える。

女は本を手に取り、最初から最後までパラパラと開く。

最後までめくれた後、本を机の上に置く。


「フウー」

大きなため息をつくと、うな垂れる。

急に顔を起こす。


「よし!」

女は、本を両手で丸めはじめる。

キョロキョロと周りを見回す。

ゴミ箱を見つける。

ゴミ箱めがけて、丸めた本を投げ入れる。

カタンと本がゴミ箱に入る。


「ストライク!ハハハハハー」

女は笑いながら、その部屋から消える。

ゴミ箱からはみ出した本のタイトルが見える。

本のタイトル

[ズバリよく分かる!○○○]


ナレーション
 そう、彼女は[ズバリよく分かる!]という言葉に、つい釣られて買った本で、[唯一分かったこと]は、この[本の内容]が、彼女に取って・・・

[ズバリ!・よく!・まったく!]




わかんなーい!

という事だったのだ!

END