今から数年前、大分空港のある国東での事。
リーンリーンとお昼を少し過ぎたころ事務所の電話がなる。
「はい、・・・」 と電話にでると 「アノ・・・」 とちいさな声で 「新聞を見て相談があるんですが、よろしいでしょか
と遠慮がちに一通の電話がはいる。
このころ、新聞紙上に「霊的世界に関することでお悩みの方・・・」と広告をだしていた。
「ハイどのようなことでしょうか」
 「家の近所の女の人達数人が隣りの家に集まり私の悪口を言い村八分にされているのです。
どうしたら良いか困っているんです」 と気弱な沈んだ声で訴えてきた。
「では住所と名前を言って下ださい」 と手短に伝える。
 
住所と名前を聞きどちらが霊的作用に冒されているのか霊視する。
 (」私は住所や名前をみるだけでその人の性格や、土地家屋が霊的作用に冒されているか、否かが1,2分で判断できる)
住所と名前を聞き、原因が住所にある事が分かる。
「今から何の霊が作用しているか呼び出してみます」 と伝える。
 「この土地に作用を起こしているのは誰か」 と紙に書いた住所から出るエナルギーに向かって小さな声で叫ぶ。
すると、約2分程過ぎたころ、おどおどした様子で 「・・・すみません」 と入り、私の口を使い気弱そうなな声で話し始めた。
 「私はここの土地神です。隣りの土地神にいじめられて困っているのです」といかにも怯えた、泣きそうな声で助けを求めてきた。
相談者に、土地神が今喋った内容を、おもむろに電話越しに伝えると 「エ、私と同じですね」 とびっくりしたような声で驚いていた。
 「近いうちにお伺いし原因を調べ解決しましょう。ご安心してください」 と云い電話を置く。
土地神にもいじめがある事を初めてしり 「完全な縦社会の世界に陰湿ないじめが存在するとは」
 神々にいじめがあるのなら人間社会も神の社会同様にいじめがあるのも仕方のない事なのだろう。
それは縦社会を模倣し具現化された社会である故仕方のないことなのだろうか。
 
 いじめは、いじめる側、いじめられる側双方にとって大変悲惨な出来事であり大切なエネルギーを無駄に
消耗し生涯に渡り
忌まわしい記憶として残る悲しい負の財産を背負った前世からの因縁である。
 約束の日車で1時間30分かかって相談者宅に到着する。
事前に電話をかけて到着時間を伝えていたので家の前に出て待っていてくれた。
この日は大変天気がよかった。
 国東の空港をはるか通り過ぎると、右手にキラキラとダイヤを散りばめた様に輝く眩しい波間の
景色を見ながら快適に車を操作していると、JRの踏み切りを過ぎたあたりから
あっと云う間に田畑の広がるのどかな田園地帯に入る。
先程まで香っていた海辺の海藻の香りと全く違う草木のにおいや土の匂い。
澄み渡るがごとき空気を半開きの車窓を通じて体に感じながら目的地に着実に近づいている。
 
 相談者宅は玄関先の一反程の畑を挟んで前と数十メートル右上に低い山がありそのふもとに数件の家が横並びに建っている。
家の後ろと左側に民家が連なっているようだ。
 家に着き相談者にお会いすると初対面であるにも関わらず目には涙をため今にも泣き出しそうな顔を抑え、優しい笑顔で迎えていただいた。
 よほど悲しいつらい孤独な思いに悩まされていたのだろう。
村八分は精神的にも大変残酷ないじめである。
私も経験者だからよく分かる。
 
 挨拶もそこそこに、早速そく玄関の前に立ち土地神を呼ぶ。
私の何時もの悪いクセである。
霊的世界になると何故か興奮し早く霊に会いたくなるのである。
この日は土地神と分かっていたが、習慣とは怖いものだ。
 「おい土地神いるか。いるのなら入って来い」 と呼ぶと弱々しそうな声えで「お待ちしておりました」 と入り
私の体を90度に折るように腰を曲げ、まるで腰の曲がったおじいさんのような体つきになる。
 腰を曲げたまま、首だけをひねり左側の家を恐る恐る覗くように視る。
「どうしたいのだ」 と聞くと 「ここから出していただけないでしょか」 と怯えきった様子ですがってきた。
 勝手に自分の都合で出たり入ったりすることなど絶対出来ない厳格な縦社会の世界。
もし破ればどのような罰が降りるか考えられない神の世界のことである。
 しかし、いじめられているものを目の当たりにしてむげに断るのも立場上できることではない。
 仕方なく 「よし、お前がそんなに出たいならここから出してやる」 と、つい男気をだし云ってしまった。
そう言うと先程よりイチオクターブ上がった声で 「有り難うございます」「ありがとうございます」 と何度も繰り返しを頭を下げ安堵の姿勢をあらわにした。
 そして、私の腰がくの字に曲がったおじいさんの姿のようにしたまま
いじめにあっていた左側にある問題の土地神に気づかれないように 「ひょこひょこ」 と跳ねるように家と道路の境まで行き、又いじめられていた土地神のほうをのぞきみながら私に礼をいいつつ体を前後に力強く大きく数回ふり
遠心力を利用してうまく離れていった。
 弱々し土地神がいなくなった変わりに新しい土地神がすぐ降ろされてくるだろう。
その後、いじめた土地神のところに行き 「コラ、二度といじめは許さんど。又同じ事を繰り返したら次はお前を追い出すぞ」と厳しく注意した。
 土地神どうしのいじめがその上に住む人間にも同じように作用させた見本であった。
次の日落ち着いた声で感謝の電話がはいる。
「ありがとうございました。精神的に大変楽になりました」 と。                                                     
       
                                                                宇宙総帥